日本人の歯を失う原因の多くは、実は虫歯よりも歯周病ということをご存知ですか？
虫歯と歯周病はどちらも感染症で、どちらも完全にお口の中からいなくさせることは難しいですが、日々のブラッシングや歯科医院で行なう歯のクリーニングや定期検診でそれらは改善することが可能です。

歯周病とは、歯の周りの歯肉、歯根膜、歯槽骨、セメント質に炎症が起こっている病気の総合的な名前です。
・歯肉が炎症を起こしている･･･「歯肉炎」
・歯槽骨や歯根膜まで炎症を起こしている･･･「歯周炎」

歯周炎は以前は歯槽膿漏（しそうのうろう）と呼ばれていました。
歯周病の特徴は痛みがなく気付かない間に進行していくという怖さがあります。「痛くないし、気にならないから健康」と思っていても歯周病であることを伝えると患者さんは皆さん驚かれます。腫れたりして症状が出たときには歯槽骨まで悪くなっていて歯がグラグラしたり、抜けてしまったり、抜かなくてはならない状況になっていたりすることもあります。

色々な要因があります

歯周病の直接的な原因の多くが歯垢（プラーク）ですが、口腔内環境や生活習慣、そして持病などは間接的に歯周病を悪化させてしまう要因や理由になります。歯周病は細菌による進行性の病気ですが、同時に生活習慣病でもあります。

上記の図のように、歯周病は歯石の放置だけではなく、さまざまな要因で悪化・進行します。
例えばタバコ、喫煙もその1つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させて歯肉の血行不良や歯周組織の酸素欠乏も引き起こします。

すべての予防に言えることですが、定期的な歯科検診は生涯自分の歯を使っていくことということを選択する上で最も重要なことです。
・口腔内に疾患を多く抱えている場合は2ヶ月に1度程度
・おおよそ歯科医師が認めている場合は3ヶ月に1度程度
どうしても時間が取れない場合でも半年に1度は定期検診を受けましょう。

小さなお子さん、小児の場合は大人に比べて虫歯の進行が早いので歯科医師に従って定期検診を受けることを薦めます。